MJCマリン賞2013決定

 マリンジャーナリスト会議では、競技スポーツ、海に関するユニークな活動、学術的研究、安全普及、環境保護、ボランティアなど、広範な「海洋レジャー/文化の普及」活動に携わってきた人々、団体の中から、顕著な活動をされてきた方々を表彰する「MJCマリン賞」を創設しています。このほど、その「MJCマリン賞2013」について、去る2月7日に最終審査会および投票を行い、下記の通り決定いたしましたのでお知らせいたします。

 なお表彰式は、2013年3月9日16時より「ジャパンインターナショナルボートショー2013」第1会場(神奈川県横浜市/パシフィコ横浜)のイベントステージにて行います。


■授賞内容、選考理由について



●MJCマリン賞2013 大賞
大阪市帆船「あこがれ」
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 「あこがれ」は一般市民でも航海が体験できる帆船として1993年に竣工した。小学4年生から参加できる入門型コースや乗船員の指導のもと実際に航海を行うコースなどにより、これまでに3万人を超える市民が乗船、寄港した国内の港は100港にのぼった。
 その「あこがれ」の事業廃止が正式発表されたのは、2012年12月27日。「(存続については)教育効果を観て存続を判断する」としていた大阪市の決定によるものだった。

 ある意味ボランティアに近い活動こそ、自治体なり国なりが背後から後押しして推進すべき文化活動であるべきとも考えられるが、経済的な事情により残念ながらその活動に終止符を打つということとなった。
 わずか1隻の練習帆船さえ支援できない今の日本の現状を憂慮するとともに、約20年間にわたり大海原に憧れをいだく多くの子供たち、若者たちの夢を乗せ、シーマンシップを育んできた帆船「あこがれ」の航跡をより多くの人に知ってもらうため、その偉大なる功績たたえたい。


●スポーツ/アドベンチャー部門
小野信昭さんs_IMG_6576

 12年前より日本の海に面したすべての都道府県を巡りカートップボートによる釣りをする計画を実行に移し、日本中を旅してきた。そして2012年、その最後の釣行となる東京都の多摩川からボートを降ろして、ついに目標を達成した。
 2013年からは、再び全国ボートフィッシング行脚に挑む。

 小野さんはカートップボートでボートフィッシングを楽しみながらホームページにおいてさまざまな情報を提供。また、マリン専門誌の記事執筆や講演など幅広く活躍するとともに、愛好家を組織化しミニボートによるフィッシングイベントを行うなど、カートップボート、ミニボートのルールやマナー、安全の啓発を行ってきた。


●文化/普及部門
大城清さん
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 2000年に座間味島〜那覇泊港で開催されたサバニ帆漕レースを皮切りに沖縄では糸満、南城、名護へと同様のイベントが広がりを見せている。2011年から始まったマリシスポーツの祭典「マリンカップin 沖縄J では、一競技として取り入れらるまでになった。サバニレース自体が単なるマリンスポーツの位置付けになく、日本の伝統文化を継承させるための取り組みとして結実しつつある。
 沖縄県内に木造のサバニを造ることが出来る大工は残り少なくなりつつあるが、その中において大城清さんは糸満式の伝統的な型のサバニを造り続け、その技術が廃れることがないように努め、現在は高良和明氏にその技術を継承している。今日の帆掛けサバニ普及の立役者の一人であり、その情熱は他の誰よりも勝る。また大工としての誇りも高く、一切の妥協を許さない姿勢は、正に職人気質の典型である。
 沖縄を出発したサバニが中国福建省に漂着したという記録を疑い、漂着ではなく潮や風、波を読んだ上での航海だったはずだと信じ、これを自ら証明しようとしている。

 また造るだけではなく、自らこの舟に乗って帆漕技術を伝えること、加えて旧来からの舟の造りに飽き足らず、舟そのものを進化させるべくサバニ帆漕レースにも参戦し、良い戦績を残すことで舟と操船技術の完成度の高さを自ら証明している。


●安全/環境部門
出張寺子屋マリンスクール
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 NPO法人「出張寺子屋マリンスクール」(代表:霜触 哲也さん)は、水の事故ゼロを推進する「ウォーターセーフティーニッポン」のオフィシャルパートナー。子どもたちの道徳観や正義感を育み、水の事故を防ぐための自己防衛力を養うことを目的に、学校プール、公営プール等で「水辺の安全教室」「カヌー・ヨット体験会」を開催している。ユニークなのは学校・公営プール等にレスキューボード、ライフジャケット、レスキューチューブなどの器材を専用のトラックで運び、水泳授業の時間に活動を行っているという点。代表の霜触哲也さんは、「学校水泳授業2時間(連続2コマ)いただければ、先生方の負担も少ない中で水の安全知識を高めながら、楽しく水と触れあえる」という。
 さらに拠点を前橋市に置いているが「山の中の学校でも、普段なかなか触れることのできないヨットやカヌーも体験できます。また、授業だけでなく、先生方の研修やPTA、地域子供会の事業としても実施する予定です」という。
 法人設立は平成23年11月。県内だけでなく新潟、福島などの小学校でも水辺の安全教室を実施。こどもたちはさまざまな水の体験を通じて、楽しみながら「いざという時の命の守り方」を学んでいる。


■MJCマリン賞について

●主催/ マリンジャーナリスト会議(MJC)
●後援/国土交通省、海上保安庁、(社)日本舟艇工業会

 マリンジャーナリスト会議(MJC)では、マリンレジャーの安全と健全な普及を目指し、この分野で貢献している個人および団体の活動をたたえるとともに、今後の活動を応援することを目的に、2001年より「MJCマリン賞」を創設し、以来、毎年表彰しています。対象は競技スポーツにとどまらず、海に関するユニークな活動、学術的研究、安全普及、環境保護、ボランティアなど、広範な「海洋文化の普及」活動に携わってきた人々すべてです。
 賞の決定については、一定期間(今年は2012年6月1日より2012年12月31日までの期間に当会ホームページ及び、当会加盟のマリン専門誌において募集。応募(推薦)のあった個人、団体に加え、当会会員の推薦により候補者を選定し、一次審査を経て最終ノミネートを決定します。その後の二次審査では、会員の投票によって最終的に「大賞」と三部門の部門賞を決定しています。



■マリンジャーナリスト会議(MJC)について

 マリンジャーナリスト会議は、マリンスポーツ専門誌の編集長など、マリンスポーツ&レジャーの現場で活動するマリンジャーナリストと、マリンに関心を持つジャーナリズム関係者・有志の集りです。7月の祝日「海の日」にボート、ヨット、パーソナルウォータークラフト等のオーナーに無料体験試乗会の開催を呼びかける<海と遊ぼう720>キャンペーンなど、様々な活動を通してマリンレジャーの健全な発展と安全普及をめざしています。