マリンジャーナリスト会議

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いわきの海の復興を目指して

いわきの海の復興を目指して

2012年4月18日


「みなとまち創造会議」は、いわきサンマリーナに艇を置くオーナーを中心に、いわきを海辺から盛り上げようという目的で震災前に設立されていた。元々はいわきサンマリーナを市民に憩いの場として提供しながら、海の魅力を広く市民に知ってもらう。マリンスポーツの振興を通し、港町としての楽しいまちづくりを考え、次世代の子供達に受け継いでもらう。そして海と港町のまちづくりを創造することが目的だった。しかし、設立後すぐに大津波が襲い、活動の中心的存在だったマリーナは消滅、目的の順序が変わった。
 現在は市民と行政で組織されている“小名浜まちづくり市民会議”に団体として加盟して活動し、ボートオーナー以外のメンバーも参加して、様々な取り組みを行っている。
先日、その「みなとまち創造会議」から同会の活動目的に関する告知の協力依頼をいただいたので、ここにご紹介する。

●震災から1 年。恐い海から、楽しい海へ…
私たち『みなとまち創造会議』は、福島県いわき、小名浜の海が大好きで、いつか「みんなの笑顔」を取り戻したい…そんな思いで集まった仲間たちの会です。震災後多くの困難の中、地域の方々、小名浜の海が大好きな方々と共に一生懸命復興活動に取り組んで来ました。震災から1 年が経った今、今こそ楽しかった小名浜の海を思い出し、みんなで手を取り合って笑顔の海を取り戻さなければなりません。

●各々の高まる思いが、「絆」となって結ばれました。
あの大震災により私たちの仲間も多くの被害を受け、海の墓点であった「いわきサンマリーナ」も津波で壊滅してしまいました。これからは、地峨全体の復興、そして、新たな海、マリンパークの開発が望まれます。

●ディンギー、ヨット、モーターボート等…海の仲間と共に。
海の伸間たちが集う海の墓点(マリーナ)を1 日も早く復興できればと願っています。
そのためには、地域の様々な復興事業と足並みをそろえ、一歩づつ大切に誠実にみなとまち創造会議の活動を行っていかなければならないと思っております。いつかは、みんなが笑顔で集えるマリンパークがあり、そしてマリーナがあり、そんな小名浜のまちが出来ることを強く願っております。これからも我々は、多くの方々と歩調を合わせ、協力を惜しまないで一生懸命活動していく所存でございます。

●2012 年、秋。笑顔で逢いたい!
この秋、私たちは、小名浜の海で『復興イベント』を開催したいと思っています。2 年前開催されたマリンフェスティバルをもう一度復活させて、たくさんの笑顔を取り戻せたらと考えています。あの時の笑顔と感動の日を復活させるのです。多くの人と手を取り合って実現できるよう頑張って行きます。

●今だからこそ、前向きに「福島県の復興を願い」、心をひとつにしたい。
よみがえれ。元気な小名浜地域復興と共に…

みなとまち創造会議は、笑顔の海を取り戻すため、仲間たちと共に元気を出して地域の色々な協力、お手伝いをさせていただきます。皆様のご協力、連絡をお待ちしております。

■みなとまち創造会議
〒970-8033 福島県いわき市自由ヶ丘46-10 (株)イーストムーン企画 内
TEL: 0246-29-5161 FAX: 0246-29-5162
Mailto: eastmoon@if-n.ne.jp  URL: https://onahama-ptcm.com/

 同会では2011年の10月に市内の子どもたちにと保護者に船に乗ってもらい、被災した街の様子を海から眺め、上陸後に復興した沿岸を想像して親子で絵を描いてもらうというイベントを行っている。その絵をいわき観光の中心的存在である水族館「アクアマリンふくしま」に11月1日から1月31日まで展示、今年の3月に横浜で開催されたジャパンインターナショナルボートショーにおいても展示した。
 「描いてもらった絵ももちろんですが、絵に添えられた子どもたちのコメントに泣かされ、そして力をもらいました。いわきの子どもたちは大なり小なり海と接して育ってきた。子どもたちの、また海で貝殻拾いがしたい、お父さんと釣りをしたい、そんな願いがストレートに伝わってきた。今まで当たり前だったことができない。子どもたちも苦しんでいるんですね」(脇山智彦会長)
 今、力を入れているのは「カジキで町おこし」だ。「2010年にビルフィッシュトーナメントでカジキの料理コンテストを行ったところとても好評だったんです。今年はこのコンテストを再開させてカジキを使った特産品づくりに挑戦したい」
 常磐沖は知る人ぞ知るカジキの宝庫。震災前までは、いわきではビルフィッシュトーナメントが毎年開催され、魚影の濃さに惹かれて多くのスポーツアングラーが県外からも参加していた。(その様子もボートショーでパネル展示された)
 街が壊され、自分のボートも流失し、マリーナさえも失い、一時は「なぜ海からこんな仕打ちを受けなくてはならないのか」と嘆いた脇山さんだが、今、いわきを愛する多くの仲間とともに、想いは海に向けられている。


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